2007年 04月 16日
♬インドへの誘い♬

インドに呼ばれているって思う出来事!
その理由②をお話しします。
今月の初め、とある結婚式に呼ばれました。
その新郎がチベット族、新婦が12歳の時に日本にやって来た台湾人でした。
二人は日本、それも大阪、それもそれも日本橋というディープな街で出会い、愛し合うようになり、結婚することになりました。
最初、新郎の出身はインドの北部の街からやって来たとしか、教えられませんでした。
それは何州なのか、どの街なのか。彼に尋ねても言ってくれません。新婦に尋ねてもラチがあかない。彼らの共通語は北京語。私と彼は英語で、私と彼女とは不思議な日本語で話します。そして、彼の英語は強烈なアクセントのため、電話ではとても聞き取りにくいのです。
恐らく、彼らにとってインドの何処の街だなんて、そんなことはどうでも良いくらい、ちっぽけなことなんだと思います
でも、私は気になる!
お兄さんがチベット仏教のお坊さん。それも、かなり位が高いらしい。手がかりとなる情報は、ヒマラヤ山脈の麓、ニューデリーからバスで13時間の街しかない。
探しました!
インド 、チベット仏教、ダライ・ラマ・・・・思いつくままに言葉を入れてネット検索。
引っかかりました。
ダライ・ラマが亡命し、暮している街 「ダラムシャラー」です。
条件は一致します。
彼女に聞いてくれるように尋ねると、すぐに返信メールが届きました。
彼の実家のある街はそこから西へ行った KULLUという水晶の大産地でした。
わぁ、見つかった。
結婚式には兄弟達が遠路はるばるやってきました。
二人のお兄ちゃんと二人の弟、その妻と息子。計6人です。
長男のお兄さんは、確かに位の高い方だろうと思われるオーラが出ていました。さらに、高僧になって行かれるだろうと想像できる風格がありました。
お顔は穏やかで知性が溢れています。
すこしお話をさせて頂くことが出来たのですが、その時に「KULLU」から来られたんですねとお声を掛けたところ、兄弟全員がやっと自分たちの暮す街の名前を知っている日本人に会ったぞと喜んでくださっている表情が印象的でした。
さらに面白かったのが。ニューデリーからバスで13時間かかるんですよねって尋ねたら、「そうです。飛行機だったら1時間30分なんです」って回答が。
へっ、なんで彼女達は飛行機にしなかったんだろうって思うでしょ?
「えっ、でも○○さんはバスで行ったんですよね?」と尋ねると、兄弟、皆で声をハモらせながら、そして笑いながら「そうなんだよ」と。
なんだか、微笑ましいですよね。その行動は、きっと新郎の性格が現れているだと思いました。彼は、便利で早くて高額より、不便でも時間はあるのだから無駄使いしないのでしょう。
お兄さんはとても綺麗な英語を使われます。そして皆は北京語を話します。
ですので新婦の家族とのコミュニケーションは北京語で行なわれていました。これも、不思議な光景でした。
披露宴では、彼が紋付羽織袴姿、彼女が色打ち掛け姿で入場してきました。
スポットライトがあたり、祝福の拍手の中、金屏風の前に立った新郎新婦。
いきなり、お兄さんがすくっと立ち上がり、白くて丈の長い布を投げました。その布は新郎新婦の首元にサァッと掛かりました。
一瞬、何事だっと思いましたが、なんだか、とても清らかな誇り高きお兄さんの心意気を見た気がしました。
そして、涙が溢れて来た自分に驚きました。我が弟を幸せになれ!って気持ちが伝わったように思います。
その布は「カター」と呼ばれるようです。
チベットでは、寺の参拝、ダライ・ラマ法王や高僧の謁見、宗教の儀式、知人・友人の送迎、子供の誕生日、結婚式、葬式など様々なシチュエーションで、このカターと呼ばれる白いスカーフを相手に渡す習慣があるそうで、誠心誠意、心からの敬意を表していると言います。
つまり、カターを相手に渡すことにより、自分の心からの敬意を表すという挨拶の印で、白は純粋な気持ちを表すのだそうです。
お兄さん、今頃はヒマラヤの山を眺めながら遠き日本の弟夫婦の幸せと安全を願っておられるのでしょうね。
by iwma501
| 2007-04-16 22:43